黒人霊歌

黒人霊歌は、アフリカからアメリカ新大陸に送られてきた黒人達が
作った一種の宗教的民謡です。
アフリカの古い諺に「歌なくして霊の降臨なし」というのがあるが、歌と神は黒人の生活に不可欠な存在でした。
初期のアメリカ黒人奴隷はいかなる宗教も許されていませんでしたが、18世紀になって、やっと征服者の神キリストを信仰することを許されました。文盲の黒人たちは牧師の聖書の物語に耳を傾け、それにメロディをつけて歌いながら信仰を深めていきました。過酷な労働と虐待の苦痛を神に訴え、悲痛な気持ちで神を讃える「霊歌」として歌ったのです。
歌詞の内容は旧約聖書から取材したものが多く、リズム、和声の上から見て、アフリカの音楽といえます。
黒人特有のヴィヴラ−トのある声、一種のにごりのある声がよく似合います。リ−ダ−がテ−マをうちだして、集まっているみんなが一緒に歌うという呼応形式をとっています。
白人向けにアレンジされたものはニュアンス、発声などが本来のものとは異なっています。
「深い河」「ジェリコの戦い」「時には母のない子のように」「戦車よゆれる」「誰も私の悩みを知らない」などは世界の人々に愛唱されている有名な黒人霊歌です。